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2024.10.05

 

月経不順や無月経の原因で多いものは、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れであり、悩みや不規則な生活によって月経リズムが乱れる人もいます。また、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因になることもあります。

婦人科診察として経腟超音波検査(性交症の経験がなければ経直腸超音波検査)や骨盤部のMRlや貧血、肝臓機能、女性ホルモンの検査を行います。まずはお気軽にご相談ください。

 

生理不順

正常の月経周期は25~38日といわれており、これに当てはまらない場合を月経不順といいます。

 

月経周期が24日以内の場合

頻発月経といい、排卵の有無により卵胞期の短縮、黄体期の短縮(黄体機能不全)および無排卵性月経などに分類されます。初経から間もない時期や閉経前によくみられます。

 

月経周期が39日以上3か月以内の場合

希発月経といい、無排卵周期症や卵胞の成熟が遅れることにより卵胞期が長くなってしまうことが原因です。更に周期や出血の量、期間からみて月経とは異なる出血である場合は機能性子宮出血といいます。

 

無排卵性周期症

月経様の出血はあるのに、排卵を伴わない病態をいいます。月経周期は不順なことが多く、月経持続期間も短かったり長かったりします。月経周期が不順で月経量・月経持続期間の異常があり、基礎体温が一相性を示す場合、無排卵周期症と診断します。 思春期や閉経前に多くみられ、初経から1~2年は無排卵性月経のことが多いともいわれますが、不妊の原因としても重要です。 視床下部の機能異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などにより本症をきたすこともありますので、原因を調べた後に、妊娠を希望しているかも考慮して治療法を決めます。

 

黄体機能不全

卵巣からの黄体からのホルモン(プロゲステロン)の分泌不全により、子宮内膜の分泌期変化が正常に起こらない病態を黄体機能不全といいます。その結果、黄体期の短縮、あるいは機能性出血を呈するため、卵子の着床障害をきたし、不妊症や不育症の原因となります。基礎体温や黄体期のホルモンを測定することなどで診断するとされています。治療としては、不妊を訴える場合に対しては、黄体補充療法として高温期に黄体ホルモン製剤の内服や経腟投与、黄体機能刺激療法などを行います。

 

機能性子宮出血

器質的疾患が認められない子宮からの不正出血をいいます。多くはホルモンの異常によりますが、血液疾患などを原因とすることもあります。排卵期によくみられる機能性出血(排卵期出血)は、排卵直前にエストロゲンが減少することによる消退出血と考えられています。 診断にあたっては、妊娠に関連する出血や、子宮筋腫やポリープ、悪性腫瘍などの器質的疾患、血液疾患や薬物による影響、甲状腺疾患などの可能性を考え、内診、超音波検査、細胞診、血液検査などを行います。器質的疾患が除外され、出血が少量で出血期間が短い場合は、経過観察で十分です。止血が必要な場合は、出血の状態、妊娠の希望の有無などにより治療法を検討します。

 

無月経

妊娠中や授乳中でないのにも関わらず、長期間にわたって月経が来ない症状です。月経は14歳までに約98%くるといわれており、15歳になっても初経がこない場合は原発性無月経を疑います。ストレスや無理なダイエット、女性アスリートの方などの激しいスポーツなど、生活が原因となって起こる場合もありますが、早発閉経などの病気の場合もあります。

無月経の期間が長期に渡ると、子宮の病気の発症や骨粗しょう症のリスクもあります。

 

原発性無月経

8歳を過ぎても月経が一度もこない状態をいい、0.5%の頻度とされます。その原因や重症度に応じて治療を行います3)。二次性徴を促し周期的な月経がくることが目標ですが、ホルモン療法を行っても性交渉・妊娠・出産などが達成困難な場合もあり、思春期医療に詳しい婦人科医が慎重に対応していくことになります。原因が腫瘍、子宮・腟の月経流出障害であれば身体的ケアのため手術療法を行うこともあります。

 

続発性無月経

これまであった月経が3か月以上とまった状態をいい、思春期から閉経期まであらゆる女性が経験する可能性があります。中でも、妊娠中や産後、閉経による無月経は生理的無月経といわれます。原因を除く、あるいは変更、改善することを優先します。他の診療科で投薬中の薬が原因のこともあり、その場合には必要性の評価と可能であれば薬剤の変更、無理なダイエットによる低体重が原因であれば食事指導やカウンセリング、原因が明らかなストレスの場合にはできる限りそのストレスを取り除くような指導を行います。その上でホルモン療法により月経の改善に向けた治療をスタートします。注意しなければならない点は、ホルモン療法を行うと、見かけ上月経が再開しますが、原因が改善されなければ、治療を中止すると再び無月経になります。将来的なライフプランをしっかり見据え、女性として思春期・成熟期・更年期とライフステージを乗り越えていくために、心身ともに健康であることが、無月経治療の近道かもしれません。

診療時間

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