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骨粗鬆症とは

2023.04.17

骨粗鬆症とは、骨量が減少し、骨組織の骨密度が低下することによって、骨がもろくなり、骨折や転倒などの外傷による骨折のリスクが高まる状態を指します。骨は、骨細胞が骨を作り出す「骨形成」と、骨細胞が骨を吸収する「骨吸収」がバランス良く進行することで、強く健康な状態を保っています。しかし、年齢とともに骨吸収が優位になり、骨量が減少することで、骨密度が低下して骨がもろくなる状態に陥ります。この状態を骨粗鬆症と称します。

骨粗鬆症は、女性に多く、更年期以降に発症することが多いですが、男性や若年層でも発症することがあります。主な原因として、年齢や遺伝的な要因、女性ホルモンの減少、不適切な栄養状態、運動不足、喫煙や過剰なアルコール摂取などが挙げられます。

骨粗鬆症は、骨折のリスクを高めることから、早期発見・治療が重要です。診断には、骨密度測定や骨形成マーカー検査などが行われ、治療には、適切な栄養状態や運動、骨粗鬆症に効果のある薬剤が用いられます。

骨粗鬆症は、女性により多く見られます。特に、更年期後の女性に発症しやすく、日本人女性の約4人に1人が骨粗鬆症になるとされています。 年齢とともに骨粗鬆症の発症率が増加します。日本の厚生労働省の調査によると、60歳以上の女性の約2割が骨粗鬆症になっているとされています。 骨粗鬆症による骨折は、高齢者に多く見られます。

診断

  • 超音波
    スクリーニングに使用されています。骨粗鬆症の診断に、超音波を使用する方法もあります。超音波は、骨密度を直接測定するのではなく、骨の音速を測定することで骨密度を推定します。

  • DEXA(デキサスキャン)
    骨密度測定に使用される方法の一つで、X線を使って骨密度を測定します。DEXAは、腰椎や大腿骨の骨密度を測定することが多く、骨粗鬆症の診断に最もよく使用される方法の一つです。

  • マーカー検査
    血液中の特定のタンパク質や酵素などの物質を測定することで、骨の再生や破壊の活動を評価することができます。マーカー検査は、骨粗鬆症の診断だけでなく、治療の効果を評価するためにも使用されます。

  • FRAX(フラクチャー・リスク・アセスメント)
    患者の年齢、性別、身長、体重、骨折歴、タバコやアルコールの使用状況、DEXAによる骨密度測定値などの情報をもとに、骨折リスクを予測するツールです。FRAXは、WHOが推奨するオステオポロシスの診断基準である、骨折リスクを算出するための計算式を応用したものです。


治療

女性ホルモン剤 女性ホルモンの一種であるエストロゲンを補充することによって、骨密度を増加させる効果があります。

  • SERM
    骨に対してエストロゲンのような働きをするため、骨密度を増加させることができます。また、乳がんの予防にも効果があるとされています。ただし、副作用としてホットフラッシュや血栓症が起こる場合があります。

  • ビスホスホネート
    骨の分解を抑え、骨密度を上げる効果があります。これらの薬は、口から飲むタイプや静脈注射があります。

  • モノクローナル抗体
    特定のタンパク質をブロックすることにより、骨の分解を抑え、骨密度を上げる効果があります。静脈注射です。

  • セリカルト
    骨形成細胞を刺激して、骨密度を上げる効果があります。皮下注射です。


骨減少症の診断を受けた方へ

骨量減少は、骨粗鬆症の初期段階と考えられることがあります。骨量減少は、骨の中のミネラル密度が低下し、骨が脆くなることで起こります。この状態が進行すると、骨粗鬆症を発症する可能性があります。そこで、骨量減少している人に向けた生活習慣改善のアドバイスを以下にまとめました。

  • 運動を習慣化する
    骨量を増やすためには、運動が有効です。特に、ウォーキング、ジョギング、ダンス、重力負荷のかかる運動などが効果的です。週に3回以上、30分以上継続して行うことが望ましいです。ただし、無理な運動はかえって体に負担をかけることになるので、無理のない範囲で運動をするようにしましょう。

  • 食生活を改善する
    骨を作るためには、カルシウムやビタミンDが必要です。カルシウムは牛乳や豆腐、小魚、チーズなどに多く含まれています。ビタミンDは日光によって体内で生成されますが、十分な日光を浴びることができない場合には、サプリメントを摂取することも考えましょう。また、塩分やアルコールの摂取量を減らすことも重要です。

  • 禁煙する
    タバコに含まれるニコチンは骨を弱くする原因となるため、禁煙が必要です。また、二次喫煙も避けるようにしましょう。

  • ストレスを軽減する
    ストレスは骨の健康に悪影響を与えることがあります。ストレスを軽減するためには、趣味やスポーツ、ヨガ、瞑想などを行うことがおすすめです。また、十分な睡眠をとることも重要です。

  • 定期的な健康診断を受ける
    骨量減少は自覚症状がないため、定期的な健康診断を受けることが重要です。

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