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女性アスリートに多い健康問題

2018.03.28

1997年にアメリカスポーツ医学会は、摂食障害、骨粗鬆症、無月経を「女性アスリートの三主徴」と定義し、警鐘を鳴らしています。バレエ、新体操、体操などの審美系の競技や、陸上長距離、トライアスロンなどの持久系の競技など、低体重が求められる競技では、それ以外の競技と比較して、患者が2~3倍多いことが報告されています。

摂食障害

ここで言う摂食障害は、2007年に「Low Energy Availability with or without an Eating Disorder(摂食障害の有無によらない利用可能エネルギー不足、以下、エネルギー不足と訳す)」と定義が変更されています。

BMI17.5kg/m2未満(思春期では標準体重の85%未満)の場合を、エネルギー不足と判定します。

このエネルギー不足の状態が続くと、低体重、卵子を刺激するホルモンの周期的な分泌が抑制されて低女性ホルモン状態となり、低骨量や骨粗鬆症、無月経の原因となります。


骨粗鬆症・疲労骨折

摂食障害によるエネルギー不足、黄体ホルモン(LH)不足が続くと、低骨量や骨粗鬆症の原因となります。

さらに、そこに過度なトレーニングによって、骨へ繰り返し負担がかけられることによって、疲労骨折のリスクが高まります。


無月経

審美系の競技や持久系の競技以外でも、シーズン中の一時的な減量等により無月経となるアスリートも少なくありません。

エネルギー不足が解消したり、体重が増加しても、月経の再開がみられないケース、または、競技特性上、体重を増加させることが難しいアスリートの場合は、ホルモン療法を考慮します。


ホルモン療法に際して

ホルモン療法を行う場合は、初回投与を目標とする試合の直前は避けるようにします。

ホルモン剤服用により、吐き気、頭痛、一時的な体重増加、全身倦怠感等の副作用が出るケースがあるからです。

試合・練習日程を確認し、できるだけコンディションやパフォーマンスへの影響が少ない投与スケジュールを組むようにします。


低用量ピル(OC/LEP)の処方に際して

ピルを服用することにより、月経の周期をコントロールすることができます。

ただし、非運動女性と比較して怪我のリスクが高いのですが、手術前4週間、手術後2周間はピルの服用ができません。

ピルQ&A

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